こんにちは、
ともやんです。
僕は、ショスタコーヴィチの関する文章を多く読んでいるわけではないのですが、ソ連という言論が自由で出来ない国で活動していたため、表向きの発言と本心にはかなり隔たりがあったようです。
この交響曲第8番は、戦時中の1943年に完成し、同年11月モスクワで初演されました。
前作の第7番から2年後の作品で、レニングラードがドイツ軍に包囲され、ソ連存亡に関わる苦戦最中の作品だったの対し、第8番は、戦況に明るい兆しが見えた頃の作品です。
だからその明るい兆候が表現されているかというと、第1楽章から重々しい音楽となっています。
ただ、ショスタコーヴィチ自身は、「人生は楽し。暗い陰鬱なものが去り、美しい人生がこれから開かれつつある」と述べたと言われています。
しかし、後年あくまでこれは当局を意識した発言だったと思われます。
それはこの曲の完成から13年後、スターリンが死去して3年後の1956年には、「この曲は恐ろしい戦争の悲劇を反映し、人民の苦しみを表現した」と訂正しているからです。
演奏は、ムラヴィンスキー指揮レニングラードフィルを聴き込むのがいいと思います。
とにかく凄いです。
聴いていると何もできなくなり、どんどん引き込まれて行きます。
ドミートリー・ショスタコーヴィチ - Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第8番 ハ短調 Op. 65
Symphony No. 8 in C Minor, Op. 65
1.(25:15) I. Adagio - Allegro non troppo
2.(06:21) II. Allegretto
3.(06:25) III. Allegro non troppo
4.(09:51) IV. Largo
5.(13:18) V. Allegretto
total(61:10)
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 - Leningrad Philharmonic Orchestra
エフゲニー・ムラヴィンスキー - Yevgeny Mravinsky (指揮)
録音: 1982, Live Recording, Leningrad, Russia
Shostakovich: Symphony No. 8 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 & エフゲニ・ムラヴィンスキー
これも名盤中の名盤です。
ともやん
小学生の時、NHK交響楽団を指揮する岩城宏之氏の指揮姿に魅了されてから、クラシック音楽に興味をもち、今日まで生きてきました。 現在、LP、CD、カセットテープも含めて約1000件以上を所有しています。 毎日数枚ずつ視聴しながらブログを運営しています。 好きな作曲家は、ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームス、マーラーから武満徹、伊福部昭。 このブログでは、サブスクで楽しむことが出来るオーケストラ曲の名演、迷演、珍演をご案内して行きたいと思います。 お付き合いのほど、よろしくお願いします。 1957年富山市生まれ、横浜市在住。