フルトヴェングラー ブラームス交響曲第4番 戦時中の名演

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こんにちは、
ともやんです。

 

フルトヴェングラーは、ベートーヴェンをもっとも得意としていたようで録音も圧倒的に多いし、歴史的名演も多数残されています。

 

でも、フルトヴェングラーの指揮は、ベートーヴェンよりもブラームスにあっているという意見もあります。

 

僕もそう感じることがあり、ブラームスの内省的でセンチメンタルな部分が、フルトヴェングラーの性格、人柄に繋がるように感じます。

 

戦時中だから、人びとは音楽を必要とするのです。

今日は、戦時中のブラームスの第4番について書きます。

 

フルトヴェングラーの録音技師

 

1942年、当時としては破格な高性能と長時間録音が可能としたマグネトフォン磁気テープレコーダーの技師として、フリードリヒ・シュナップ(1990-1983)が、フルトヴェングラーの録音に携わっていました。

 

フルトヴェングラーは初めて会う人には非常に神経質になる対うでしたが、シュナップは、それを乗り越え、フルトヴェングラーから「私の唯一の批評家」と言われるほど、信頼される存在となりました。

 

そのシュナップは、フルトヴェングラーにはベートーヴェンよりもブラームスの方が、フルトヴェングラーの音楽に合っていると語っています。

 

理由は、「フルトヴェングラーが少年時代、ブラームスは生きていて同じ空気を吸っていたから」とそして「フルトヴェングラーは真心を込めて演奏している」と述懐しています。

 

このブラームスの4番も最初の主題が始まった瞬間に空気が変わるほどフルトヴェングラーのブラームスの世界になります。

 

フルトヴェングラーのブラームス交響曲第4番&ハイドンの主題による変奏曲

 

ヨハネス・ブラームス - Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第4番 ホ短調 Op. 98
Symphony No. 4 in E Minor, Op. 98

 

1.(12:09) I. Allegro non troppo
2.(12:20) II. Andante moderato
3.(06:23) III. Allegro giocoso - Poco meno presto
4.(09:23) IV. Allegro energico e passionato - Piu allegro
total(40:15)

 

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 - Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー - Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 21 June 1942, Berlin, Germany

 

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ハイドンの主題による変奏曲 Op. 56a
Variations on a Theme by Haydn, Op. 56a, "St. Anthony Variations"
total(19:49)

 

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 - Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー - Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 12 December 1943, Berlin, Germany

 

ブラームス 交響曲第4番ホ短調Op.98 / ハイドンの主題による変奏曲Op.56a

 

最初の音が出た瞬間その豊かな響きに魅入られます。
しかもベルリンフィルのポルタメントを多用した甘美な響きは聴きものです。

 

フルトヴェングラーのブラームスの第4番は戦後の48年録音が有名で、そちらの方が演奏的にも充実しているようですが、ナチスドイツ崩壊の1年少し前の激動の時期の録音ということで価値があります。

 

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まとめ

フルトヴェングラーは、政治と音楽は別物としてぎりぎりまでドイツに残って演奏活動を行いました。

同じくベルリンフィルやウィーンフィルの楽団員もそうです。

 

当然、楽団員の中には、ユダヤ人もいて楽団を去ったりしなければいけないメンバーにいたし、中には収容所に送られ命を落とした人もいたそうです。

 

フルトヴェングラーもオーケストラのメンバーもどんな気持ちで演奏していたのか、それとも演奏している時だけが生きている証だったのか、古い録音の中からその答えを見つけようしていると演奏している人たちだけではなく、シュナップのように録音に携わった人たちの魂の声が聴こえてきそうです。

 

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ともやん

ともやん

小学生の時、NHK交響楽団を指揮する岩城宏之氏の指揮姿に魅了されてから、クラシック音楽に興味をもち、今日まで生きてきました。 現在、LP、CD、カセットテープも含めて約1000件以上を所有しています。 毎日数枚ずつ視聴しながらブログを運営しています。 好きな作曲家は、ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームス、マーラーから武満徹、伊福部昭。 このブログでは、サブスクで楽しむことが出来るオーケストラ曲の名演、迷演、珍演をご案内して行きたいと思います。 お付き合いのほど、よろしくお願いします。 1957年富山市生まれ、横浜市在住。