こんにちは、
ともやんです。
ロリン・マゼール(1930-2014)は、1930年3月6日パリ近郊のヌィイーでアメリカ国籍を持つ両親の間に生まれました。
父親はロシアとオランダの血を引く家系で、母親ハンガリーとロシアとの混血でした。
ただ一家はマゼールが生まれるとすぐにアメリカのピッツバーグに移住し、ロリン少年はそこで成長しました。
幼少時からヴァイオリンとピアノを学び才能を発揮し神童と騒がれ、いろんなオーケストラに招かれて指揮したりしていましたが、その時の写真を見たある音楽評論家は、だぼだぼの半袖シャツ、半ズボン姿で指揮する姿は微笑ましいが、何か得体に知れない不気味さも感じると記しています。
もしかしてその文章を書いた音楽評論家は、神童と騒がれながら消えて行った多くの人を想像したのかもしれません。
ただマゼールは師事した先生が偉い人だったので、単なる神童で終わることはありませんでした。
もしかして両親や10歳を超えたロリン少年の中にも神童としてチヤホヤされていぜれ忘れられる存在にはなりたくない。そのためには人間としての幅を広げておきたいという考えがあったのかもしれません。
マゼール少年が師事した人は、ウラディミール・バカレーニコフと言う人で、ピッツバーグで音楽教育に従事し、ピッツバーグ響の準指揮者でもあったので、マゼール少年をよくリハーサルに連れて行ったそうです。
また、マゼールは、音楽を学びながらピッツバーグ大学に進学し、哲学と語学を学ぶなど、人間としての幅の広さと奥行きを持ったことは単なる神童で終わらなかったかもしれません。
今回は、1957年から62年に掛けて名門ベルリン・フィルを録音した録音をご紹介します。
マゼール若き日ベートーヴェン運命と田園
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
1.(07:58) I. Allegro con brio
2.(10:45) II. Andante con moto
3.(04:51) III. Allegro
4.(08:34) IV. Allegro
total(32:08)
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交響曲第6番 ヘ長調 「田園」 Op. 68
Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastoral”
5.(09:31) I. Awakening of Cheerful Feelings Upon Arrival in the Country: Allegro ma non troppo
6.(11:46) II. Scene by the Brook: Andante molto mosso
7.(05:25) III. Merry Gathering of Country Folk: Allegro
8.(03:40) IV. Thunderstorm: Allegro
9.(09:25) V. Shepherd’s Song: Happy and Thankful Feelings after the Storm: Allegretto
total(39:47)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ロリン・マゼール – Lorin Maazel (指揮)
録音:1957-62
Complete Early Berlin Philharmonic Recordings ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 & ロリン・マゼール
マゼールの才能が輝かしくあふれ出るような演奏で、嫌と言うほど聴いてきた曲で、えっ!?そんなフレーズが隠れていたんだとか、そんなシンプルな進行が隠されていたんだと目からウロコの演奏です。
ロリン・マゼールは間違いなく20世紀の偉大な指揮者の一人です。
9歳でレオポルト・ストコフスキーの招きでフィラデルフィア管弦楽団を指揮し、11歳でアルトゥーロ・トスカニーニのNBC交響楽団を指揮しました。
1957年に有名なチャイコフスキーのアルバムでドイツ・グラモフォンに録音を開始。
最初に音楽監督を務めたのはベルリン・ドイツ・オペラとベルリン放送交響楽団で、その後ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とともに多くの録音を行いました。
長い指揮者人生の中でマゼールはパリ国立管弦楽団の音楽監督、ウィーン国立歌劇場の総監督、バイエルン放送交響楽団の首席指揮者、ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督など、多くの重要なポストに就きました。
1980年から1986年までウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのニューイヤー・コンサートを行いましたが、その後1994年、1996年、1999年、2005年のコンサートも指揮しました。
2024年に没後10年を迎えるマゼールのドイツ・グラモフォンへのすべての録音が初めてまとめて発売されます。CD39枚組BOXセット。限定盤。
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